発達障害は発達する!?

発達障害は発達する!?

   神田橋條二先生の著書「発達障害は治りますか?」花風社 2014年第6冊を参考に

学会主流派の考えでは

 発達障害は遺伝性である。7割以上で。それは脳の異常である。FFC(前頭前野)から帯状回、扁桃体、小脳にかけて広範囲に異常が認められる。薬物はかなり期待できる。早期発見、早期治療が望ましい。治療教育は早ければ早いほどいいなど言われている。

かなり分かってきたという勢いである。

でも、本当にそうだろうか。

糖尿病や心臓病、腎臓病のように医学的に解明されたと言えるのだろうか。子どもに中枢薬を投与していいのだろうか。副作用は心配しなくていいのだろうか、大人になって苦労しないだろうかなど親側の疑問に的確に答えるくれる児童の精神専門家は本当に少ない。

神田橋先生は日本を代表する精神科医師であられるが、上の本では薬のことは勿論述べられているが、(神田橋療法という有名なフラッシュバック向きの漢方を発見されている)

ひとりひとりに応じたユニークな治療(工夫?)を次々に紹介されている。それを岩崎先生(長崎大学の作業療法専門の准教授)らが聞きながら、反応して互いに治療の工夫を語り合っていく、丁々発止のやり取りがずつと続き、実に臨床的で明日から応用したくなるような工夫が満載されている。

勿論、先生は相手に会った瞬間に脳の問題、体の歪みなどの体の問題を的確に把握され、それを治療に応用し、発達障害を有する子どもあるいはおとなはかなり早く治っていくという、まことに不思議な驚異的な治療を日々なされている。

先生は、なぜ医者はもっと工夫して目の前の患者を治そうとしないのかと苦言を呈しておられた。

私は若い時に短期間だったが、先生の達人ぶりを、その実際を拝見する機会があったが、印象はまるでミラクルであった。言葉が実に鋭かった。臨床面でハッとする言葉を何回もずばり述べておられた。この本でもその鋭い言葉はあちこちに見られる。個々の言葉は別の機会に述べるとして、私たち臨床家に実にためになる工夫を述べて頂いた。その工夫は親、本人にも当然役立つだろう。

先生は1000人1000様の発達障害があると述べておられる。これは、実は教育の世界が昔から言ってきた言葉ではなかったでしょうか。この本を親、本人にも読んで頂き、それらの工夫を実践していただきたい。それらを十分わかって、治療教育に応用している施設は、残念ながらまだこの国には少ない。案外、通り一遍におこなわれている印象がある。オーダーメイドの治療教育が望まれる。

個別の工夫その他は別の機会に述べます。

この本は私たちに勇気を与えてくれる本です。

                     令和4年6月10日 

                     文責 脇元 安

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