更年期障害とは

img_menopause01.jpg

更年期(閉経前後、45才ぐらいから55才ぐらいまで)の卵巣機能低下を中心とする内分泌系や自律神経系の変化にともない、血管運動神経症状や消化器系症、運動器官系症状、精神神経症状などが認められるが、胃潰瘍や脳腫瘍、心疾患等の身体疾患が認められない場合は更年期障害と診断されます。

これらの症状は、単独で発症することもありますが、多くの場合はいくつかのものが混在していて、その組み合わせや症状の程度は人によって様々です。いわゆる自律神経失調症と大変似ています。

自律神経失調症は更年期障害以外に、うつ病、心身症、神経症でも見られます。特に注意していただきたいことは、知り合いに更年期で自分と同じような症状の人がいても、あなたの症状が更年期障害と言うことにはすぐならないことです。この時期の症状を何でも更年期の症状と考えることは大変危険です。先に述べたようにいろいろな疾患で似たような症状が出ます。気になる症状があれば、早めに婦人科や一般内科、神経内科、または心療内科の専門医に相談することをお勧めします。

更年期障害の症状

血管運動神経症状
  • ほてり
  • のぼせ
  • 多汗
  • 手足の冷え
  • 動悸
精神神経症状
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • イライラ
  • 無気力
運動器官系症状
  • 肩こり
  • 腰痛
消化器系症状
  • 食欲不振
  • 便秘
  • むくみ
  • 皮膚のかさつき
  • 目や口・喉の乾き
  • 排尿痛 残尿感
  • しびれ
  • かゆみ
  • 疲労

更年期障害の発症原因

img_menopause02-1.jpg

更年期障害の発症には、身体的要因(加齢による機能低下、卵巣機能低下、エストロゲン減少等)、心理的要因(本人の性格、将来への不安、容姿の衰え、閉経などの喪失感)、環境的要因(親子・夫婦関係の問題、両親の介護、仕事上のストレス、他の人間関係等)といった様々な要因が複雑に絡み合っています。そのため、同じ症状が現れた場合でも、患者によって原因が異なる場合が多く、その治療も様々です。

治療方法

治療は、まず、正しい診断が行われることが重要です。

img_menopause03.jpg

脳波、頭部CTスキャン、心電図、胃透視、血液検査、等の精密検査がまず必要です。これらで異常が認められない時に本症が疑われます。更年期障害の治療法には、いろいろな種類があります。

①ホルモン補充療法(主にエストロゲンを補充して症状の軽減を図ります) 
②西洋薬(精神安定剤、自律神経調整薬等)
③漢方療法(この方法だけで症状が和らぐ場合もありますが、、①の治療が有効でない場合にも使用します)
④心理療法(主にカウンセリング)
⑤生活指導(食事療法、運動療法、睡眠指導等)があります。

実際に治療を進める時には1つの方法にこだわらず、いろいろ試してみたり、組み合わせながら、その人に合った方法を探りながら治療を進めていきます。